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よくある相談と対策(イノシシ)
よくある相談と対策について
Q1.イノシシが出没し、庭などが荒らされて困る。
イノシシの出没が増えた原因は、一般的に「山のエサの減少」「温暖化による個体数増加」「過疎化による人口減少と耕作放棄地の増加」などが考えられてきました。
しかし、野生動物の行動を調べた結果、一番大きな原因は「人里には『一年中、おいしく、大量に、高密度に、そして確実に』エサがあることに気づいたから」だということが分かってきました。
私たちは知らず知らずのうちにイノシシを引き寄せる環境をつくっていることがあります。野生動物は、放任果樹やくず野菜、キャベツの外葉などを食べ、人里にはおいしいエサがあることを学習します。また、生ごみやペットのエサがねらわれる場合もあります。これらは、野生動物にとって生存が厳しい冬期の栄養補給源となり、本来ならえさの不足で死んでしまうはずの個体を生かすことにつながります。
まずは、野生動物を引き寄せる原因をとりのぞくこと(環境整備)からはじめましょう。野生動物にとって身をかくすことができるやぶや耕作放棄地も刈り払うと効果的です。野生動物のエサとなるものや隠れ家をとりのぞき、集落を野生動物にとって好ましくない環境にすることが重要です。
また、農作物については、防護柵等で守る(自己防衛)必要があります。農作物の味を学習させないためにも、しっかりと自己防衛をしましょう。
Q2.イノシシをもっととるべき。/とったのに被害が減らない。
捕獲数と被害軽減が関連しないことは、全国データで分かってきています。たまたま捕獲数と被害減少が同時に起こる地域もありますが、短期間だけの現象です。
原因として考えられるのは2つです。
1つ目は「被害を与えていないイノシシを捕獲している」こと。加害個体を捕獲しなければ意味がありません。田畑に出てくるのに慣れたイノシシを捕獲するためにも、環境整備や自己防衛を行うことで捕獲檻に追い込みましょう。
2つ目は「とりのがしの可能性」です。イノシシの群れの中で1頭だけ捕獲されると、残った仲間は捕獲檻について学習します。1頭捕獲したことで、何倍もの「つかまらないイノシシ」が生まれてしまうことがあります。ただ、1頭をつかまえるのにも相当な労力がいるうえ、群れをまるごとつかまえるとなると、熟練者でも大変難しいことです。はじめから捕獲に頼るのではなく、まずは環境整備や自己防衛を行うことが得策です。
Q3.イノシシが通学路に出没している。子供がおそわれないか心配。
- イノシシは本来臆病な動物で、ほとんどの場合は、しばらくすると自然と山へ帰っていきます。通常はこちらから何もしない限りおそってくることはまずありません。ただし、むやみに興奮させると危険です。イノシシをからかったり追いかけるなどの刺激を与えずに興奮させないことが大切です。
- また、イノシシが人間とばったり出くわし、驚いたイノシシと予期せぬ事故に追うことも考えられます。出歩く際に鈴などを持ってイノシシに人間の存在を気づかせることも有効です。
- もし、危険と感じたらすぐに警察に110番をしてください。
Q4.イノシシが川に落ちている。
- イノシシは野生の動物なので、通常は町中に下りてきても自然と山へ帰ります。しばらく、そのまま見守ってください。
- たとえ子供のイノシシ(ウリ坊)であっても、そのまま見守ってください。
(※野生動物の多くは、寿命が尽きる前にほかの動物に食べられたり、病気やケガで命を落とします。その死骸を食べて、また多くの命が育ちます。野生動物はそうした「命のつながり」の中で生きています。) - 川にいるイノシシが興奮していたり、手負いなどで危険な場合は、警察か市産業振興課に連絡してください。
Q5.イノシシがケガをしている。
- イノシシは野生の動物なので、通常は町中に下りてきても自然と山へ帰ります。しばらく、そのまま見守ってください。
(※野生動物の多くは、寿命が尽きる前にほかの動物に食べられたり、病気やケガで命を落とします。その死骸を食べて、また多くの命が育ちます。野生動物はそうした「命のつながり」の中で生きています。) - ケガをしたイノシシが興奮して動き回るなど危険な場合は、警察か市産業振興課に連絡してください。
Q6.イノシシに遭遇した時の対応について知りたい。
- 近づかない
ほとんどの場合は、しばらくすると自然と山へ帰っていきます。犬などを連れていると、敵だと思って攻撃してくる場合があるので十分注意してください。 - ゆっくり後退し静かに立ち去る
イノシシがこちらに気づいていない、距離が十分にあるときは、その場から静かに離れましょう。イノシシとの距離が十分にないときは、イノシシの様子を見ながら、背中を向けず、ゆっくりと後ずさりして離れましょう。
イノシシの姿が見えなくなっても、一度その場を離れて安全なところへ避難しましょう。 - 威嚇したり、驚かしたりしない
むやみに興奮させると危険です。イノシシを追い払ったり、追いかけることはしないようにしましょう。また、イノシシがものかげなどにいる場合があります。びっくりさせて突発的な事故を防ぐために、イノシシの出没の恐れがある場所では、特に夜に出歩くときなどは、音や光で人の存在を知らせるようにしましょう。