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刀鍛冶(かたなかじ)
刀身をつくる
玉鋼(たまはがね)を鍛えて刀身を作る職人のことを刀鍛冶(かたなかじ)と称します。作刀の技術は一子相伝(いっしそうでん)によるもので、古い時代の刀鍛冶たちがどのような手法で刀剣を打っていたのか、詳細は分かっていません。現在行われている作刀工程は、江戸時代末期の刀鍛冶「水心子正秀(すいしんしまさひで)」によってまとめられたものを基本としており、それぞれの刀鍛冶の手で改良を加えながら伝えられています。
作業工程
選別
材料の玉鋼を薄く平らに打ち延ばし、小割りにしたものを、硬くてキレイなものと軟らかいものに分けます。
積み沸かし
同質の鉄で作っておいた台の上にそれぞれ積み重ねます。
鍛接
およそ1300度ぐらいまで、炭を使って熱し、鍛接をします。
折り返し鍛錬
切れ目を入れて何度も折り返します。
拍子木づくり
短冊状に切り分け、並べます。
仕上げ鍛え
拍子木づくりしたものを鍛錬します。
造り込み
軟らかい芯となる心鉄(しんがね)に硬い皮鉄(かわがね)をかぶせます。
素延べ・火造り
焼いて長く伸ばしたのち、小槌を使って刀身の形に整えていきます。このとき、切先(きっさき)も打ち出します。
火造りしたものをセンという鉋(かんな)のような道具とヤスリで形を整えます。
土起き
刀身に焼刃土(やきばつち)を塗ります。
焼入れ
刀身を一様に加熱し、水槽に投じて急冷します。刃の反りもこのときに自然につきます。
鍛冶押し
目の粗い砥石で、全体の形を整えます。この後、刀身は研師などの手に託されます。