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塗師(ぬし)
更新日:2021年4月1日更新
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鞘を塗る
日本刀の鞘(さや)は実用的に丈夫であること、そして美しく仕上げることが求められます。そのために漆(うるし)を使い、1ヵ月~3ヵ月の期間を要して薄い層を何度も塗り固めるなど、数多くの工程を重ねます。漆の天然樹脂は防水・防湿効果が優れていることと、様々な工夫で少しずつ色を加えることが可能であり、実用的かつ優雅で美しい鞘(さや)を作り上げるためには必要不可欠な要素です。
作業工程
下地行程
生漆や和紙などを使い、補強と塗りの下地を作ります。
中塗り行程
生漆をさらに浸透させ、砥ぎ炭や砥石で研ぎます。さらに黒中漆を刷毛で塗っては水研ぎの工程を何度も繰り返します。
仕上げ行程
表面を磨き艶付け漆を擦り込むように吸わせる作業を何度も行い、最後の磨きをし、艶付けを行います。
蒔絵(まきえ)
蒔絵(まきえ)の技法で家紋、動物、植物、自然の風景など様々な図柄をあしらう場合があります。金、銀彩の美しい日本の伝統工芸の技術が一口(ふり)の刀に新しい命を与えてくれます。